三角点入門                   

1 三角点の役割     三角測量を行う際の基準点

位置(経度・緯度)の基準  ⇔    水準点(高さの基準)

経緯度原点

東京都港区麻布台2−18−1 (中央官庁合同会議所構内)

* 旧東京天文台(現国立天文台)の子午環の架台の跡

日本経緯度原点金属標の十字の交点

・東経 139°44288759

                     ・北緯  35°39291572  

* 経緯度の1秒は、日本周辺では約30m

                                             




















2 三角測量とは   
既に位置関係が分かっている点Aと点Bから、新点Cに対する角度を測定して、
               その位置を確定していく測量方法。

        図1                      

 3 三角点の歴史     文化・文政  伊能忠敬が全国測量(20万分図の元となる)

明治 4年  工部省測量司が東京府下13箇所に測点を設置

                    〃   8年  内務省地理寮が「関八州大三角測量」を開始

                     〃 11年  「全国三角測量」に改称、標石の埋設始まる

                     〃 15年  関東・信越・中部で100箇所を選点(半数に標石埋設)

                     〃 16年  二等三角点測量開始

                     〃 17年  内務省の測量事業を陸軍参謀本部測量部に統合

                     〃 23年  一等三角点の標石を正式決定(陸軍省令第12)

                  29年  標石の材質を花崗岩に統一、陸地測量部で一括調達

                    大正 2年  一等三角点の設置をほゞ完了

                     〃  6年  二等三角点の測量完了

                     〃  9年  三等三角点の測量完了

                 〃 13年  基本図測量完成、翌年「明治成果」として刊行

                    昭和24年  測量法公布(測量の日「6月3日」)

                     〃 26年  国土調査事業(地籍測量)始まる(四等三角点設置)

                 〃 42年  一等三角点改測作業完了、「昭和成果」

                 〃 49年  精密基準網の設置、基準点の全面改測へ

                  * 戦前の四等三角点は、三等三角点を補完するためのもので、測量
                    が行われた際に一時的に利用するのみで、標石も埋められていない。

 4 三角点の設置場所    @ 他の三角点を見通せること。

                     A    地盤が強固であること。

                    B     距離間隔が適当であること(正三角形がベスト)。

                    C     設置後の維持が容易であること。

     必ずしも山頂に限らない

                          * 那岐山(標高)      1,255  m   

         三角点(三等)   1,240.3




 5 三角点の種類と    重要度・役割等により区別

     設置数                                    (令和3年4月1日現在)

種     類     

設置間隔

岡山県

全 国

一等三角点(本点)

約  45km

   5

974

 〃   (補点)

 25

   8

二等 〃

810

  88

4,990

三等 〃

3 4

 673

31,667

四等 〃

1.5 2

2,234

71,506

 合    計

3,008

109,137



 6 標石の大きさ 
     




                     @ 一等三角点には、盤石の下30pに9×9×4.5の下方盤石あり

                     A 柱石・盤石は、いずれも花崗岩等の堅固な石材

                     (一等三角点  柱石90s、盤石45s )

                       →四等三角点  軽量標識…中空のコンクリート柱に金属標を
                                 貼り付けたもの(重量20s程度)


 7 標石の埋め方       

    
                         
      
         ・東面  「基本」
         ・西面  「国土地理院」又は「国地院」
         ・南面  「(一等〜四等)三角点」
         ・北面  標石番号(四等 6桁 2段書き) 
    

  等 一

 

四 等








* 刻字は、一等〜三等は原則として右から、
   四等は左からの読みになっている。
   (ただし、一等〜三等であっても、戦後に
   改設されたものは左からの読み)


 *「」 明治・大正・昭和前期(戦前)設置(埋標)
    「」 戦後設置(埋標)




A 柱石は、上部約15cmを地上に露出するように埋設する。
B 柱石を保護するため、標石の周囲に24個の石を埋設、
  又はコンクリートで固定する。

C 特別な場合は、地下に埋設して蓋をする。
  蓋には、柱石に記入した事項を略記する



← 写真は一等三角点【泉ヶ山】(鏡野町)標高 1,209.11m





8 三角点金属標




  @ 刻字 「この測量標を移転き損すると測量法により罰せられます」 

  A 素材は、真ちゅう製又はステンレス製 

   写真は四等三角点【甲ノ上】(玉野市)標高 261.47m
                

 9 岡山市三角点

  「貝殻山市民憩いの森公園」(岡山市南区阿津・小串)の「小名郷池」の【東峰】で見つけた三角点(標高155.6m)